December 19, 2009

2009サラウンドワークショップ芸大編

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「サラウンド入門」は実践的な解説書です

December 17, 2009

作曲家、音楽制作者のためのサラウンド入門


By Mick Sawaguchi 沢口真生(サラウンド寺子屋 UNAMAS-JAZZ 主宰)

はじめに
2009年9月25日に音楽制作者をターゲットにしたロックオンセミナー「サラウンド制作」の第1回目が開催されました。第2回目は、11月27日に24トラックPOPS音源から参加者が自由にサラウンドデザインを実践するという「仁義なきサラウンドMIX」をやりました。
20代を中心にした参加者は、ステレオ制作からSOMETHING NEWを求めての参加だったことがアンケート調査でも明らかになってきました。ここでは当日使用した資料を交えながら音楽制作,特に作曲を生業にする方々へ「熱いサラウンドラブコール」を送ります。

現在中心となっているサラウンド方式は、通称5.1CHサラウンドと言われ。前方フロントにセンターCHを加えたL-C-R CHそして後方にサラウンドCHとしてLs Rsの2CHが,最後に120Hz以下の重低音専用のLFE CHが加わりトータルで5.1CHサラウンドと呼ばれます。




1 サラウンドVsステレオの世界観の相違
現在2つのスピーカと2CHの記録伝送再生媒体によって 2CHのステレオ音響が一般化しており皆さんはなんの抵抗もなくこれを楽しんでいます。私たちの耳は2つだから、2CHの情報で十分だ!と考えるのは実は早計と言わなくてはなりません。たしかに耳は2つですが、私たちは完全立体縦横360度のリアルな立体音を関知しその自然さを聞いています。
「そうなのです。2つの耳で立体〜サラウンド〜の音を私たちは自然に検知認識しているのです」これを考えれば「ステレオが最高!」というには不足している情報がたくさんあることにお気づきいただけるでしょう。サラウンドという空間表現は、DAWとプラグインをメインとする今日のデジタル制作ツールの発展と平面音場にあきたらない人々にSOMTHIN NEWとして注目され始めています。

2CHステレオとサラウンドの世界観の相違をまとめれば、以下に述べる4つの優位性をあげることが出来ます。

我々が日常聞いている聴覚の立体聴取能力「自然さ」
作曲家やアーティストといったクリエータのツールとしての360度のサラウンド キャンバス、
ミキシングエンジニアからみたマスキングのない解放された音質の優位性
音に浸ることによるヒーリング効果

1−1 聴覚検知という観点からみたサラウンドの優位性
我々が日常様々な生活環境音を捉えている様子とそれが2CHステレオに閉じ込められた場合の比較を示しました。聴覚検知という側面でみても2CHステレオで表現される世界観は、圧縮された世界といえるでしょう。これがサラウンドで表現されると聞いていても「自然」な感覚として耳が受け入れてくれます。
2CHステレオが持つこの凝縮感と高密度が好みだ!という声も聞こえますが、純粋な空間認識という観点からは2CHステレオは、「歪んだ空間」なのです。少なくとも今日の5.1CH(6CH)や7.1CH(8CH)等といったチャンネル数は、こうした空間情報再現能力を持っているという点で従来の2CHステレオに比べ優位性を持っています。


1−2 表現者にとってのサラウンド空間の優位性
2つ目に作曲家やアーティスト サウンドデザイナーといったクリエータからみたツールとしてのサラウンドの優位性を述べてみます。音響表現はモノーラルから1950年代になり2CHステレオへそして今後マルチチャンネル サラウンドへと発展しようとしている途上に我々はいるという時間軸の捉え方ができます。モノーラルと2CHステレオ両者に共通しているのは、観察者すなわち客観視という前提に立った表現手法だと言うことです。これを観察者中心に360度取りまくようなキャンバスの拡大を行うとどうでしょうか?観察者は対象と一定の距離をおいて観察する客観視から、自らもその世界の一部となり得る主観視の世界へと新たな表現の場へと変化します。
客観表現としての2CHキャンバスに限界を感じていた新感覚のクリエータにとっては、用いる道具の数が増えるサラウンド空間を手にすることで新たな表現世界を構築することが可能になる訳です。




1−3 ミキシングから見たサラウンド音響の優位性
3つ目にミキシングという技術面から見たサラウンドの優位性について述べます。
作曲家の意図にもとづいて出来上がった音楽空間の要素を全て2CHのステレオ空間で表現しようとすると、楽器のなかには、マスキングという現象によってかき消されてしまう楽器が生じます。あるいは2次元空間のなかでの奥行感を出すためにメインの楽器や歌とバックを支える楽器群とでは音色や距離感を加工しなければなりません。こうしたマスキングをいかにバランス良く整えステレオ空間を作るかが「腕のいいステレオミキシングエンジニア」と言われてきました。しかしこれは、「スパイス過剰の食材」と言われかねない側面ももっています。これを5CHのサラウンド空間へと拡大した場合は「産地直送の食材」を味わうことができ、無理の無い自然なサウンド空間と本来持っている音質が再現できる点にエンジニアからみた優位性を見ることが出来ます。

1−4 心理面からみたサラウンドの優位性
ここではサラウンド音響が聴取者に与える心理面での効果について経験をふまえて述べてみます。サラウンド音場にいると「音に浸っているようで気持ちいい」といった反応があります。サラウンド空間は、まさにこの音に浸っている「音浴—Bath tab sound」を提供することができます。豊かなサラウンド空間に包まれることで我々はリラックスし、心が解放されるというHi-F指向とは違った新たな効果もサラウンドは持っているのです。

2 サラウンドが空間表現に応用された「ふりかえり」から今を見ると
サラウンド空間を意図的に使用したのは、宗教音楽や説教といった宗教空間です。早くは4世紀のローマカトリック教会建築、そして中世に建築されたキリスト教会や仏教寺院、その他多くの宗教で見ることができます。こうした儀式を執り行うメイン会場の建築音響は高い天井とドーム状のデザイン、生の声や楽隊が明瞭度と豊かな響きを調和して信者に厳かな空間を提供し立体的な空間の持つ特徴を信仰高揚に応用したわけです。
16世紀ベニスのBASILICA SAN MARCOには向かい合う2台のオルガンが設置され、これを効果的に利用して音楽長ADRIAN WILLAERTは合唱と音楽を複数配置する「VENETIAN MUSICAL方式」と呼ばれる音楽手法を確立しています。
17−18世紀はこうした動きが停滞していましたが、19世紀にはいりまた復活の動きが出始めました。みなさんがお馴染みの楽曲としては、1837年BERLIOZのREQUIEMこれは、4ヶ所のブラスパート配置や1874年GIUSEPPE VERDIのREQUIEMのステージ背面のブラス配置、そして1895年のG.MAHLER S-05 へとひきつがれてきました。こうして宗教というジャンルから拡大し純粋な音楽として作曲演奏され、立体的な音楽の再生が全周囲から行われる形式をとる楽曲ができあがりました。これらはコンサートホールのステージ以外の各所やステージ背面に演奏者を配置するといった形式でサラウンド空間を応用しました。
1908年C.IVESはTHE UNANSWERED QUESTIONという楽曲でストリングスをオフステージに、正面にはTp ソロと木管群といった異なった配置の作曲をまたH,BRANTは1953年にANTIPHONYという楽曲で5つのオーケストラを異なった配置で演奏する楽曲を作曲しています。作曲が電気録音技術を応用し始めたのは、1950年代になってからで電子音楽とマルチチャンネルが融合し始めました。J.CAGEはそうした技法をメディアに応用しようと1951 年にLANDSCAPE-NO4を12のラジオ局を使って実験放送しています。
1957-59年にはサンフランシスコにあるプラネタリュームMORRISON でVORTEX が宇宙の映像とコラボレーションした音楽を36−40チャンネルの再生スピーカで上映し1958年のブラッセルワールド フェアで招待上映されています。この動きはのちに70年万博展示会場でのマルチチャンネル音響パビリオンの先駆けとなったといえるでしょう。70年に入るとマトリックス方式をLPレコードに応用した4CHステレオが登場しましたが、メーカー主導と方式の乱立、クリエーターの不足から数年で市場から姿を消していましました。ここでの教訓は、ユニバーサルなサラウンド制作.再生方式とクリーターの必然性やスキルが伴わないものはユーザーにそっぽを向かれるという点でした。

21世紀に入った今日、状況は変わったのでしょうか?
方式は世界共通の規格が出来ています。
そしてメディアはLPレコードではなく、デジタルメディア。
ツールは、手頃なパソコンDAWからすでにサラウンド制作機能が搭載されています。機材も手頃な価格でホームスタジオでもサラウンド環境が構築できるようになりました。そうです「インフラは整ったのです!」
では肝心のクリエータの皆さんは?モノーラルー2CHステレオときた道筋をワンステップ上るタイミングでは?というのが私の熱いラブコールです!

3 音楽表現が2chステレオで停滞しているのは作曲家の怠慢だ!
3−1 作曲をする場合の頭の中が2スピーカで鳴っていないか?

360度のキャンバスを手に入れても肝心の作曲家が音世界を作曲するときに頭の中に浮かぶ音が360度、まさに上下左右で鳴っていなければ本当にサラウンドを活かした作曲をしているとはいえません。ここが肝心なところで作曲の仕事が依頼されたときにすでに2つのスピーカから鳴ることを前提に音を組み立てていないでしょうか?360度で考えるには少しの訓練が必要です。しかしすぐれたサラウンドの楽曲が生まれない限りいくらおてごろなサラウンド機器やツールが登場してもユーザーは真のメリットを享受することはできません。「2CHステレオの仕事しかこないからね」といって思考回路を遮断しているのは、まさに作曲家の怠慢としかいいようがありません!オーケストラのコンサートをサラウンドで録音する.もちろんこれもすぐれた臨場感が楽しめます。しかしこれは楽曲がサラウンドしてる訳ではなくコンサートホールがサラウンドしているだけです。360度のキャンパスを十二分に使い切ったスコアが提供されない限り、サラウンド音楽は「臨場感サラウンド」の領域をこえることはできないのです。クリエータとは、常に新たな課題に挑戦してこそその名前に値するといえませんか?

3−2 クラシックの臨場感サラウンドだけで十分か?
〜ISAO TOMITAとトミタメソッド〜

現状楽しめるサラウンド音楽を作曲する意欲をもったクリエータといえば冨田勳氏をまずあげなければなりません。現代音楽などで「マルチチャンネル音楽」を作曲するクリエータは世界的にもいますが、「楽しめるサラウンド」というエンターテイメント性を核にした作曲という点ではここ日本に大きなコーナーストーンがあるのです。氏は、そうした永年の経験とアプローチを後進へ伝えるべく「トミタメソッド」と呼ぶ作曲.制作手法を大学で教授しています。ここには意欲ある若者が集まり少数精鋭でサラウンド立体空間の作曲に取り組んでいます。その成果のひとつは2009年10月21日に発売された「交響詩ジャングル大帝」のディスクで聞くことが出来ます。そこに提示されたスコアは、まさに360度の世界を作曲の段階で考えた配置や楽器群が書かれています。リアは、音楽の響きだけあればよい!という臨場感サラウンドを超えた360度のキャンパス。これこそが立体空間の構築といえます。
交響詩ジャングル大帝COZX-411-2で是非その意図を確かめてください。

3−3 2009年第51回グラミー賞サラウンド部門にノミネートされた
「コーネリアス」SENSURROUNの先進性に学ぶ

今年の2月に開催された第51回グラミー賞のサラウンド部門に日本からのアーティアストとして初ノミネートされたのはコーネリアスのSENSURROUNDというアルバムです。映像とサラウンド表現に取り組んだ大変意欲的なアートでもあり、エンターテイメントでもある作品です。制作は、ほとんどサンプリング音源とコンピュータツールを駆使しており制作環境という点では、何ら特別の設備は使っていません。みなさんが普段使っているツールとおなじです。では何が違ったのか?といえば2CHステレオ音楽でなく新しい表現としてのサラウンドという領域に飛び込んで挑戦をしたという点にあります。人のやらないことに先駆的に取り組んでみるという先進性、これこそが「クリエータ」の本質ではないでしょうか。アメリカの選考委員は、そこを評価したわけです。

4 サラウンドは難しい?面倒なだけで仕事がない?仕事を待ってはいないか?
4−1 ここができればあとは難しくない!モニタリング環境の構築
5.1チャンネルのモニター環境構築のためミキシングする部屋の大きさに応じてモニタースピーカのサイズを選ぶ。音質優先主義で小空間に大きなサイズのスピーカを無理に設置するとサラウンド空間が十分得られない。
モニターレベルを部屋のリスニング点であるスイートスポットにて全チャンネルで適正値に調整する。
モニター環境は、響きの少ない部屋を選択。
使用スピーカは全チャンネル同一仕様が望ましい。
LFEスピーカの適正設置とレベル設定(部屋の定在波の影響を低減した場所に設置)状況によっては部屋の不平行面をモニターのフロント面にするなど。

4−2 5.1チャンネル サラウンド制作でのスピーカ配置
モニタースピーカ配置については、国際的な規格であるITU-R BS-775と呼ばれる推奨規格があり、これを前提にそれぞれの環境に応じて補正を行っていけばモニター条件ができあがります。図— 参照。この規格は従来の2チャンネルステレオとの互換性を重視しながらリアのサラウンドチャンネルは、アンビエンス空間を再現することに重点をおき純粋音楽からHDTVなど映像を伴った場合の配置を推奨しているもので映画音響とは配置が異なっています。

センターを中心にL-Rの開き角が60度と45度の2タイプあるのは、60度が音楽やHDTVなど放送での仕様、45度は映画などスクリーンと音像が一致した配置での仕様となります。リアのサラウンド開き角は、ITU-R規格では110度+/-10度と側方よりの配置ですが、これはアンビエンス空間を認知しやすい我々の聴覚特性から推奨された角度です。逆にPOPS音楽など明確なリア側での後方定位には不向きで、また音像を360度パンニングするといったデザインではスムースなパンニングとなりません。それをメインに考えて配置したのが110度より後方配置となる135度や150度といったオプションです。(アメリカ NARAS委員会の推奨配置)



4−3 配置とモニターレベルの測定簡易ツール
これらの適正配置を部屋の中で行うには、測定ツールがあれば便利です。一つはITU-Rの配置角度を記入したスケール。そして適正モニターレベルを全チャンネルで揃えるためのサウンド レベルメータ。さらに正確さを期すにはレーザー距離計や周波数特性を測定できる1/3OCTバンド リアルタイム アナライザーがあれば完璧です。測定用信号源は広帯域ピンクノイズやバンド幅を制限した狭帯域ピンクノイズを使用します。

4−4 測定のための基礎知識
● 音圧測定のフィルター特性

5.1チャンネルのモニターレベルをメインチャンネル5本とLFEチャンネルで測定する場合の説明に、レベルメータの測定特性はC-ウエイトでSLOW特性にして測ることと規定されていますので、その意味を解説します。これは測定する音の大きさに応じて我々の耳の特性が異なっていることを補正する目的で付属している特性補正フィルターです。

F:特性 これは何も補正を行っていない大音量レベルの測定時。
A:特性 これは60dB以下など小さい音量を測定する場合に使用。
C:特性 これは70−90dBといった平均的な測定で使用

通常のミキシング環境を構築する場合にはこのC-特性を使用し、レベル表示が読みとりやすいSLOWと言うモードで測定するというわけです。

● オールパスレベルと1/3OCTバンドレベル
これもよく混乱しますが、調整手順説明書などでメインチャンネルのレベルを各チャンネルで85dBに設定した場合LFEチャンネルは+10dBに調整と説明している資料をみかけます。これをそのまま理解するとメインチャンネルの85dBに対してLFEは95dBに調整?と受け止めらますが、この記述の前提となっているのは1/3octバンドレベルで測定した場合の1/3octバンドレベル値で、メインチャンネルのレベルに対して+10dB高く設定という意味です。サウンドレベルメータで測定する値はこれとは異なりオールパスレベルと呼ばれます。

すなわちバンドレベルという値は1/3octリアルタイムアナライザーで測定した各周波数別の値を示し、それら全体の値を示しているのがオールパスレベルと呼ばれる値です。すなわち基準値のピンクノイズをミキシング位置で測定したとして、1/3octバンドレベルで測定した結果が各周波数バンドで71dBであった場合、LFEはこれよりも+10dB 高く設定するとバンドレベルでは81dB 。
これをオールパス レベルで見るとメインチャンネル値は85dB となり、LFE値は4dB高い89dB となります。

● 基準レベルとピンクノイズ
皆さんのミキシング環境での基準レベルとはコンソールに基準信号をいれた場合のレベル基準値をどこに設定しているかを意味しています。         
(例:1KHz-18dBFSで0VU設定等。例えば映画や放送、音楽などによって基準値が異なり現状ではデジタルレベルで-20dB/-18dB/-14dBFSなどそれぞれの制作環境で異なっている。これら基準レベルと適正モニターレベル調整は、ピンクノイズをその基準レベルで入力して必要なレベル(例85dB/CH オールパスレベル等)に調整すればよいことになります。

4−5 モニターレベル セットアップと配置の許容度

部屋の環境によって理想的な配置とはならない場合が多いので、それらの許容度を見込んでおいて問題はありません。
私の経験で言えば特にアンビエンス感を重点とする場合は、リアチャンネルをフロントより高めにセットすると良い感じです。
モニター距離については、広い方が理想ですが通常は2.5-3m前後あれば問題ありません。半径が2m以内といった狭空間になると少しの頭の移動で定位や音質が変化するのであまりおすすめはできません。

モニターレベル設定については、映画など大画面大観客から放送、家庭環境再生など目的に応じてそれぞれの最適モニターレベルを目的に応じて設定してください。(私の場合は-18db基準でチャンネルあたり65dbです)

5 サラウンドでエンターテイメントできる作曲スキルを武器にできるか?
  〜21世紀の音楽表現に期待する〜

制作環境や機材 ツールは何も特別のものが無くてもサラウンド制作ができる時代にあるということが、これまでの解説でおわかりいただけたとおもいます。
あとはみなさんのやる気とくじけない気力です。おっと!もう一つ肝心なことがあります。それは何事にも現状維持派という大きな関門が横たわっていることです。会社人間でしたらよくお分かりでしょう。直接の上司や社長そして仕事の上でつきあう制作や営業と行った方々。これらの方に自作を体験してもらい、そしてうなずく瞬間を見つけたらすかざず「やりましょう!サラウンド」と説得することです。

2009年度JPPA AWARDミキシング CM部門で見事シルバー賞を受賞した、札幌のスタジオ UP LINKを経営しているYさんは、札幌制作の初サラウンドCMがシルバー賞を受賞したことにこうコメントしています。

「いつものように電話の前でオーダーを待っているだけでは、今回の受賞はありませんでした。クライアントに攻めの姿勢で行動したことがこの結果につながったとおもいます」と。

2CHステレオでやれることは、ほぼみなさんやり尽くしているのでは?それなら新たな冒険の旅はサラウンドです。21世紀の音楽表現をエンターテイメントのジャンルで提供していくパイオニアに期待しています。(了)

以下のサイトは、音楽が音だけでなく映像も伴いかつ高品質配信というツールを使って、ワールドワイドにビジネスを展開しようとしている例です。今後こうしたメディアが音もサラウンドで提供していくことは遠い話ではありません。

http://dch.berliner-philharmoniker.de/#/en/

http://www.metoperafamily.org/met_player/


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「実践5.1ch サラウンド番組制作」 Index
「サラウンド入門」は実践的な解説書です

December 1, 2009

第67回 長野朝日放送の7時間サラウンド生番組・前編:実践5.1ch サラウンド番組制作


By Satoshi Inoue 井上 哲



“毎年、「信州の大自然の素晴らしさ」をサラウンドの音声でどう表現出来るか、試行錯誤しながらの番組制作であるが、毎年多くの反響を頂き、番組のサラウンド制作もレギュラーとして定着してきた。スポーツでも音楽ライブでもない生番組のサラウンド化も十分にメリットがあるという、確固たる信念が筆者に生まれたのも、この番組のおかげである。(中略) 今年はまた予想以上にハードルの高い企画が制作サイドから提案された。番組テーマは「信州探検」。”
月刊FDI 2009/(PDF)より

長野朝日放送の7時間サラウンド生番組・後編 >>>

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「Let's Surround(基礎知識や全体像が理解できる資料)」
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